近藤 翔太Kondo Shota
生物資源科学部 生命環境学科 生命科学コース
プロフィール
中部大学春日丘高等学校出身
2022年に生物資源科学部 生命環境学科 生命科学コースに入学。地域の方と交流しながら、庄原市を活性化させる取り組みを行うサークル「さくらプランニング」に所属。
高校時代のボランティア部の経験がきっかけとなり、2023年にNPO法人 東海つばめ学習会、名古屋市教育委員会後援「名古屋つばめ塾」の広島庄原教室を開校。学習機会に恵まれない子どもたちに対して、無償で学習の支援をすることを目的に設立された無料塾で、県立広島大学の学生がボランティア講師として活動している。
今後は皮膚に使用される薬などの学びを深め、製薬会社または化粧品会社の営業職に就くことが目標。無料塾の講師、地域のイベントやボランティアにも参加し、仕事と両立しながら活動していきたいと考えている。
庄原市という新しいフィールドで無料塾を開校し、
子どもたちに学校、家以外の居場所を提供
私が本学を志望した理由は大きく分けて2つあります。1つ目は中学生の頃にアトピー性皮膚炎を発症してしまい、その時から軟膏を塗ることが日常になりました。ある日、なぜ軟膏を塗ると発症が治まり、良くなるのか、そしてその時に体内で何が起こっているのか、など薬や体内で起こっている現象に興味を持ち、皮膚や老化の研究をしている教授がいる本学を選びました。2つ目は、高校時代にボランティア部の一環で「東海つばめ学習会」という無料塾の講師として携わり、いつか子どもたちに多くの知識や経験を教えられるようになりたいと思い、理科の教職免許が取れる本学に魅力を感じて入学しました。
私が在籍している生物資源科学部のキャンパスは広島県北部の庄原市にあります。庄原市という新しいフィールドで、ここでしか経験できないことに挑戦したいと考え、農業のお手伝いやお祭りのスタッフ、古民家での掃除、空き家を利用して曜日ごとの料理教室、子ども食堂など、地域の人に混ざりながら様々なボランティアに参加してきました。また、ボランティアやイベントを通して他大学との交流も率先して行い、いろいろな事業に取り組んでいる姿に刺激を受けました。その中で自分ができることで、庄原にとって新しい事業になることを考え、高校時代にしていた無料塾の経験を活かすため「名古屋つばめ塾(広島庄原教室)」という無料塾を開校しました。
設立するにあたり、地域の方々や庄原市の議員の方、近隣の高校の先生方とお話をする機会がありました。その中で学校と家以外の居場所が子どもたちに必要であり、地方にもそのような場が求められているというニーズを実感することができました。また本学で主に生物の進化について研究している教授に相談したところ、子どもたちに研究内容や大学の話を講演すると言ってくださいました。庄原市には大学生が何かに挑戦する時に快く協力してくださる大人の方がいらっしゃるのでとても心強く、開校までは自分でも驚くほどスムーズに進めることができました。
「名古屋つばめ塾(広島庄原教室)」は毎週土曜日または日曜日を開校日とし、私が所属しているサークル「さくらプランニング」の学生や教員を目指している学生がボランティア講師として活動しています。ここに通う子どもたちは小学生7人、中学生6人、高校生1人で、習熟度に合わせて個別指導しています。宿題をしたり、定期テストの対策をしたり、受験に合わせた過去問を解いたりと、みんなそれぞれ過ごしています。中には勉強が苦手な子や私塾に通っている子もいますが「名古屋つばめ塾に通うようになって勉強が楽しい」「私塾よりここに通いたい」と言ってくれる子どもたちがいて、やりがいに繋がると同時に、開校して良かったと実感する毎日です。
今後は新たな企画として、県内の大学生を庄原市に呼んでミニオープンキャンパスを開催するなど、子どもたちの未来の選択肢を広げる活動にさらに取り組んでいきたいと考えています。