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庄原キャンパスでは3年前期から研究室に配属され卒業研究を始めます。他大学に比べると少し早いうちから2年間、研究を取り組むというのは本学の大きな特徴です。これまでに生命科学コースでは、学生のキャンパスライフ、卒業生の声や教員インタビューなどで情報発信してきましたが、今年は研究室ごとの様子を紹介することにしました。
今回は福永研究室の新3年生が研究室に配属になり、卒論の初歩ともいえる、応用生命科学実験、専門英語セミナーなどに取り組む様子を紹介したいと思います。
今年は、広島県農業ジーンバンク廃止に伴い福永研究室で受け入れたムギ類の遺伝資源を用いた実験を行っています。オオムギ品種のゴールデンメロン(二条大麦)と横綱(六条大麦)(写真1)を用いてuzuという草丈が低くなる遺伝子について実験を行っています。専門英語セミナーで関連論文を読みながら遺伝子を増やすためのPCRプライマーの設計、DNA抽出、PCRと電気泳動、シークエンシング、解析ソフトウェアやデータベースの使用方法などを学んでいます(写真2-4)。また、実験材料を栽培するためにフィールド科学教育研究センター圃場での作業なども行っています(写真5)。
写真1 ゴールデンメロン(左)と横綱(右)
二条大麦と六条大麦という違いもありますが、草丈が大きく異なります。この原因であろうuzu遺伝子について、DNA抽出、プライマー設計、PCR、電気泳動、シークエンシングなどの技術を学びながら調べています。同時にこれに関する英語論文も読んでいます。
写真2 実験風景 微量な試薬を測り取っています。
写真3 電気泳動の写真
さまざまな穀物のWx遺伝子を増幅しました。増幅成功しています。サンプルがないところは慣れていないので飛ばしてしまったところです。失敗しながら実験技術に慣れていきます。
写真4 シークエンスデータの解析
読み取った塩基配列データをコンピューターで解析しています。
写真5 ハウスの準備.
植物を植える前にハウスを清掃して準備しています。
これら基礎的な技術習得、手法や考え方の理解、実験材料の栽培の準備などを行って、本格的な研究活動に入っていきます。