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所属:保健福祉学科人間福祉学コース 職位:准教授 学位:博士(健康福祉学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス4529号室
E-mail:ohshita@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0127283
地域,家族内等で生じる様々な解決困難な問題を,日常のコミュニケーション過程を活用して短期に解決していく包括的支援論について,理論的,技術的,そして臨床での効果測定の研究を行っています。
包括的家族支援論の研究,変容技法の研究,面接過程(情報処理過程)の効果測定法の研究,非言語的コミュニケーションの研究、手話を用いた支援論の研究,手話の面接技法の研究,包括的支援論研修プログラム開発の研究、チーム?アプローチの研究
様々なフィールドで応用できる、包括的支援論の研究に取り組んでいます。研究は、哲学的な基礎理論から実践論、効果測定論を含む理論的な研究と臨床研究の2本立てで行っています。基礎理論の整備では、オースティンらの言語行為論、ウィトゲンシュタインの言語ゲーム理論、廣松渉の四肢構造論、そしてクロネンらのCMM理論などを用います。臨床研究では、海外の研究者との共同研究を含め、コンサルテーションを中心に、様々な領域での多問題事例の支援過程の研究を行っています。問題解決に資する、職種を超えた支援システム作りを目指しています。
さらに、音声言語による支援論研究だけではなく、手話言語による支援論研究にも取り組んでいます。手話は、音声以外の方法を使って、コミュニケーションを行う言語です。手話は、意味論、文法論の研究は進んできていますが、語用論的研究および支援過程において用いる技法としての研究は、ほとんど行われていません。実際にろう者が聴者との間で抱える問題の解決には、相互のコミュニケーション過程へ手話言語の使用を含めた体系的な活動を行う必要があります。多文化共生社会で適用可能な、包括的支援論へと発展させていきたいと考えています。
家族や地域で起こる様々な問題の解決を支援する専門職には、高度な知識と技術が求められます。たとえば、虐待を受けた子どもたちとその家族への支援があげられます。子どもたちの課題解決に取り組む場合も、問題は、個人の問題ではなく、関係する人々の間で構成される問題と捉え、かつ関与している複数の人の諸問題の解決をも視野に入れた評定と介入が必要になります。そして解決過程は、困りごとを訴えている家族や子どもたちが主役として進められます。これらの実現に必要な知識と技術に関する研究と専門職の養成教育を、大学院教育を含めて実施しています。
本研究では、生成的システムズ理論の視点から、家族とその成員たちへの、基礎理論、変容論、技法論および測定論から構成され、かつ短期に生活場面の諸問題の解決を試みる、支援論の体系化を目指しています。現状の支援を変えていきたいと考えておられる多分野の実践家の方々と、この包括的家族支援モデルを共有し、実践を行い、行為レベルのミニマムな差異の生成から、社会システムというマクロレベルでの変化の連続した生成を試みる実践の有用性を検証していきたいです。
社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師、保育士、介護福祉士
包括的家族支援論、生成的システムズ理論、身体論、四肢構造論、言語行為論、ケア論、効果測定論、コミュニティ生成論、言語ゲーム論、循環的質問法