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所属:保健福祉学部保健福祉学科理学療法学コース 職位:教授,保健福祉学専攻長 学位:博士(医学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス4526号室
E-mail:tomon@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/tomopepe
我々の研究グループでは,治療に難渋する痛みに影響する要因を明らかにし,さらに,有効なリハビリテーションの開発に成功しております.また,国際共同研究も積極的に行っています.
疼痛と身体知覚異常の関連,人工膝関節置換術の遷延痛の要因の検討,中枢性感作と疼痛の関連,Virtual Realityの効果検証,患者教育の効果検証
これまでに,疼私達は中枢性感作症候群と疼痛の関係の研究を行ってきました.まず,米国で開発された中枢性感作症候群を評価する質問表であるCentral sensitization inventory(CSI)の日本語版を作成しました.さらに,負担の軽減のため,短縮版CSIも開発していいます.横断研究において,CSIは乳がん術後の疼痛に関与すること,変形性膝関節症と慢性腰痛では疼痛強度や能力障害に対するCSIの影響が異なることを報告し,縦断研究において,初期評価時CSIが40点以上であると,理学療法3ヶ月後の能力障害が十分に改善しないことを報告しました.つまり,中枢性感作症候群は疼痛と関連し,中枢性感作症候群が高い症例では,従来の理学療法では改善が難しいことが多いということです.また,中枢性感作を促進する原因である自分の体が自分のものでないように感じる“身体知覚異常”や,痛みがきっかけで,運動することに対して恐怖を感じる“運動恐怖”の研究も実施しています.さらに,治療に難渋する疼痛患者に対して個別性を鑑みた理学療法を実施し,効果検証も行っています.
これまでに,疼痛リハビリテーションの進展を目標に,疼痛研究を行ってきていました.特に,3ヶ月以上痛みが続く慢性痛に着目しております.本邦における慢性痛の有病率は全成人の22.5%,推計患者数は2315万人と報告されており,社会問題になっています.慢性的に疼痛を抱えている方では,単に筋,骨,靭帯などが損傷しているから疼痛を感じるだけではなく,脊髄,脳などの様々な中枢神経系の変調が影響していることが明らかになってきています.このような器質的に説明し得ない症状(抑うつ,過敏性腸症候群,慢性疼痛など)の総称として中枢性感作症候群として呼称されています.これまでに,私達は中枢性感作症候群と疼痛の関係の研究を行ってきました.まず,米国で開発された中枢性感作症候群を評価する質問表であるCentral sensitization inventory(CSI)の日本語版を作成しました.さらに,負担の軽減のため,短縮版CSIも開発していいます.横断研究において,CSIは乳がん術後の疼痛に関与すること,変形性膝関節症と慢性腰痛では疼痛強度や能力障害に対するCSIの影響が異なることを報告しました.つまり,中枢性感作症候群は疼痛と関連し,中枢性感作症候群が高い症例では,従来の理学療法では改善が難しいことが多いということです.さらに,この中枢感作症候群に効果的なリハビリテーションを開発しているところです.
地域在住高齢者や勤労者を対象に中枢性感作症候群の研究を行っています.器質的に説明し得ない症状の有訴率を明らかにし,その原因を追求し,対応策を模索することは地域における健康問題を解決する一助になると考えております.
実際に,これまでに,医療従事者を対象に疼痛神経科学に基づいた教育(PainNeuroscienceEducation:PNE)と運動指導が「出勤しているにも関わらず,心身の健康上の問題が作用して,パフォーマンスが上がらない状態」であるプレゼンティズムに有効であるか検討し,対照よりも介入群の有効性を報告しています.
専門理学療法士(運動器)
疼痛,身体知覚異常,運動恐怖,中枢性感作,Virtual Reality,患者教育