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県立広島大学は、それまでありました広島市の県立広島女子大学、庄原市の広島県立大学、三原市の広島県立保健福祉大学の県立3大学が平成17年に統合されて、それぞれ広島キャンパス、庄原キャンパス、三原キャンパスとして再出発した大学です。中でも県立広島女子大学は1920年に広島県立広島高等女学校家事補修専攻科として発足し、2020年に創立100周年を迎えた伝統ある大学ですが、今は地域創生学部として新たな出発をしています。広島県立大学は、いまの東広島市に、1954年設立された広島農業短期大学を前身としており、今は生物資源科学部になっています。そして、2024年で創立70年を迎えます。三原キャンパスにあります保健福祉学部の前身は、1995年に設立された広島県立保健福祉短期大学ですが、2025年で創立30年を迎えます。3キャンパスともこれまでの伝統とともに、新しい歴史を作ろうとしています。そして、それは皆さんが作っていくのです。
ところで、本学の基本理念は「地域に根差した、県民から信頼される大学」であり、全学の人材育成目標は、主体的に考え、課題解決に向け行動できる実践力、多様性を尊重する国際感覚や豊かなコミュニケーション能力を身に付け、生涯学び続ける自律的な学修者として、地域創生に貢献できる「課題探究型地域創生人材」です。
本学は3つの地域にキャンパスがあります。地域創生学部のある広島市には7つの課題があるといい、中でも地域コミュニティの活力低下が懸念されています。広島市に住んでいる学生の皆さんは大いに広島市民と触れ合い、様々な課題を解決して頂きたいと思います。保健福祉学部のある三原市は、「浮城」の異名を持つ三原城の城下町で、市街地の後背にそびえる桜山などの谷間に湧原、駒ケ原、小西原の3つの川の流れ出たところにできた平地である原があり、三原市と呼ばれるようになったと言われています。現在、人口減少が進んでいく中、港があり新幹線駅がある中心市街地のまちづくりが三原市の課題になっています。生物資源科学部がある庄原市の課題もやはり人口減少に伴う街の活性化です。本学のいろいろな学部で学んだ知識を活かし、皆さんの果てしない想像力と行動力で、3キャンパスのある地域を元気にしてほしいと思っています。それが広島県や日本の元気につながっていくことを期待しています。
県立広島大学 学長 森永 力