ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 研究者の方 > 研究者?研究紹介 > 研究者紹介 > 田中 睦英(たなか むつひで)

本文

田中 睦英(たなか むつひで)

研究者紹介

田中先生

所属:保健福祉学部保健福祉学科作業療法学コース 職位:准教授  学位:修士(保健科学) 

研究室:県立広島大学三原キャンパス2510号室 

E-mail:mtanaka@(@の後にドメイン画像を付けて送信ください)

研究内容:https://researchmap.jp/mutsuhide

研究に関する自己PR

「認知?情動機能」が日常生活能力に与える影響について探求します。現在は認知フレイル高齢者の安静時脳活動と成人の自閉スペクトラム症(ASD)の表情認知処理について、いずれも脳波を用いた研究を行っています. 

研究テーマ

認知フレイル高齢者の定常状態脳波特性の検証、フレイル高齢者の認知機能と生活機能の関連、地域在住高齢者の自立(または自立喪失)に及ぼす因子の作業的観点からの検討、無意識下顔情報がヒト情動機能に与える影響、成人ASD者のコミュニケーション能力と表情認知スキル 

研究の特徴?内容

これまでに社会的コミュニケーションに必須である顔の表情処理の脳波特性について検討してきました。知覚できない(サブリミナル)顔を呈示した後に知覚できる顔を呈示すると、健常成人では顔特異的な脳波成分であるN170に性差が生じることを明らかにしました(Tanaka et al., 2021)。さらに成人ASD被験者では健常成人に比べ試行間でN170の反応にばらつきがあることが判明しました(in preparation) 。これらの結果は、意識に上らない一瞬の顔の知覚がその後の情動に影響するだけでなく、男女でその処理過程に違いがあることを示しています。さらに、ASD者におけるコミュニケーション能力の問題が脳における特異的な顔情報処理に関係している可能性を示唆しています。現在新たな研究テーマとして、認知フレイル高齢者の脳波特性を検証しています。フレイル(Frailty)とは虚弱状態を表す状態像で、高齢者の健康状態と要介護状態の中間の心身機能低下を意味します。認知機能のフレイルは軽度認知障害(MCI)や認知症に移行する危険性がありますが、老化によるもの忘れと認知フレイルの鑑別は困難です。我々は安静時の脳波律動の周波数解析を用い、加齢変化とは異なる脳活動を明らかにすることを目的にしています。 

受験を検討している方々へ

特別支援学校の高等部より、企業就労等を目指す、若年の発達障害者の就労支援の研究をしています。職業教育から就労、そして職場定着まで、将来的には、特別支援学校の小学校からのキャリア教育、高等部の職業教育における学校作業療法士と教育の連携から、当事者である生徒の就労選択と意思決定のプロセスを検討し、学校―企業―地域の途切れのない職業参加支援システムのあり方を検討しています。

また、教員調査で示された「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童」ら、パステルゾーンにある子ども達の学校参加状況や、ライフステージにおける課題と支援の検討を精査するため、小学生を対象とした「小学校参加チェックリスト」を作成しています。今後、学年差の検討のため、信頼性?妥当性の検討を進め、子どもの参加を妨げる要因に対する早期介入のための評価としての活用を試みます。

連携協力を検討している方々へ

私の研究室では新しい高齢者の介護予防リハビリテーション開発に向けた取り組みを行なっております。現在の重点課題は認知症の早期予防で、フレイル高齢者の中でも未解明な認知フレイル(cognitivefrailty)の脳内神経基盤に着目し、脳波を用いた認知機能のフレイルのバイオマーカー特定を目指しています。この方法が確立されることで、単なる加齢によるもの忘れと思われたものが軽度認知障害や認知症に移行する危険性を持つ認知フレイルと判断することが可能になり、高齢者の介護予防に大きく貢献することが期待されます。

この研究を推進するために、地域における潜在的な認知フレイル高齢者の発生頻度に関する疫学研究や脳波等の神経生理学的手法による基礎研究のためのフィールドが必要です。これまでは前任校(宮崎県)において研究を進めて参りましたが、新たに広島県内で高齢者を対象とした研究フィールドが必要です。研究趣旨に賛同してご協力いただける自治体や団体、企業等がございましたら、よろしくお願い申し上げます。

論文リスト

    著書

      専門資格

      作業療法士国家資格,福祉住環境コーディネーター2級,臨床実習指導認定者(日本作業療法士協会) 

      関連するSDGs項目

      3


      所属別一覧