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所属:生物資源科学部 生命環境学科環境科学コース 職位:教授 学位:博士(工学)
研究室:環境物質動態研究室
E-mail:ojaki@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0191707
都市の環境,特に水環境での微量な有害化学物質の発生源,また発生したあとどう動いていくのかを追跡しています。いまは特に下水管からの汚染物質の漏れとその影響を探索しています。現地調査と実験,数値モデルを相互に組み合わせて全容の把握を目指しています。
環境衛生工学,水環境工学,環境リスク論
分流式下水道管路の老朽化による汚染物質の漏出,老朽化した水道管に非意図的に汚染物質が入り込む可能性の研究,街路樹などの葉の分析による地中の汚染の検知,下水処理場の沈殿池からの汚染物質の浮上に関する研究,汚染物質が太陽光の暴露によって毒性が増大する可能性の研究
都市の大気,水,地中での,いわゆる微量有害化学物質の発生とその先の動き方を,物質収支の発想を以て包括的に捉える事を大きな目標にして研究しています。今は特に下水管から,生活排水が老朽化によるひびわれなどを通して外部環境へ漏出する影響を探っています。研究のスタイルとしては,まず市街地というフィールドをよく歩き回り見て考えること,そして分析ではさまざまなノイズの影に隠れがちなわずかなシグナルを間違えなく捉えること,このふたつを大事にしています。そして両者を結びつけた物質収支解析を通して「これだけは間違いない」といえることをがっちり掴むこと,それを目指して奮闘しています。
「環境のことを考える」というのは,世の中の「しわよせ」の部分を見据えること,じゃないかと思っています。わたしたちが良かれと思ってやっているさまざまな活動が,賢くそして強力であるほどにどこかに歪みをもたらしてしまう,それを見据え指摘することは当今あまり好かれないことかもしれないけれど,その最前線に立つ人はやはり必要です。環境問題の理解とその解決,それをやり抜くには最新の科学知識と「おばあちゃんの知恵袋」的な視野が両方必要で,私達の学科はまさにそれを身につけるところです。
インフラの老朽化とそのマネジメントは現在さまざまな取組があります。本研究室ではそういったものの一つとして老朽化した下水管網それらが受水域,つまり下流の川などでどの程度の影響が出ているかを調査研究しています。早い段階でその兆候を探ることはマネジメントのために大事になってきます。また今は公共用下水道だけでなく,合併浄化槽,単独浄化槽設備なども視野に入れて検討しております。
微量有害化学物質,新興汚染物質,生活由来化学物質,環境動態,環境リスク,インフラ老朽化,非意図的汚染物質