生命科学科応用生命科学コースでは,4月に研究室に配属された3年生を対象に研究に必要な技術を習得することを目的として各研究室で応用生命科学実習(水曜日,3〜5限)を実施しています。今週は先週に続き,達家研究室(ゲノム制御システム生物学(オーロラ)研究室),稲垣研究室(生体防御学研究室),菅研究室(ゲノム進化発生学研究室)の実験風景を紹介します。
【達家研究室(ゲノム制御システム生物学(オーロラ)研究室)】
ゲノム制御システム生物学(オーロラ)研究室では,正常細胞がどのようにして癌細胞となるのかを分子生物学的?生化学的手法を使って研究を進めています。応用生命科学実験では,遺伝子組み換えで発現ベクターを構築して大腸菌にトランスフォーメーション後、遺伝子を抽出する作業を指導し,卒業研究に必要な技術を習得していきます。
教員による原理と注意点の個別説明の様子です。
大学院生による学部学生への実際の手技の細かい個別指導の様子です。
学部3年生の実験の様子です。
【稲垣研究室(生体防御学研究室)】
生体防御学研究室では、消化管の炎症やがんがどのように起こるのかを分子レベルから個体レベルで解析を行っています。マウスの消化管を取り出し、遺伝子発現などの生化学的解析や、組織標本を作製し病理像を組織学的に解析しています。
生化学的解析:遺伝子発現変化を調べます。(PCR後の電気泳動)
組織学的解析:組織標本作製→パラフィンブロックの薄切→染色→観察
【菅研究室(ゲノム発生進化学研究室)】
菅研究室(ゲノム発生進化学)では,習うより慣れよの精神で,3年生から早速研究室のメインプロジェクト「動物はどのようにして多細胞システムを進化させたのか?」に直結する実験をしてもらっています。今回は,ゲノムを自由に改変するためのゲノム編集技術の確立や,遺伝子の働きを生きた細胞で観察するためのライブセルマーカーの作成を行いました。3年生の渥美真梨菜さんは4年生の國村尚人君と共同で,細胞の微小構造を蛍光タンパク質の目印を使って観察するためのマーカーの作成に成功しました。
7月19日朝,「ガチ」の研究室風景です。3年生といえども授業のない時は常に実験です。
作成したライブマーカーによるモデル生物カプサスポラ細胞の観察。細胞の糸状仮足が美しく光っています。